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インプラントについての質問の解説

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インプラントについての質問

インプラントの質問

  • オッセオインテグレーション
    • 1950年代までは、金属は軟組織の介在せず骨組織と直接結合することはないという考え方が医学会の常識でした。
      1950年代スウェーデンのルンド大学のブローネマルク先生が小動物の骨に顕微鏡を固定して微小循環と組織の治癒について研究を行っていました。
      そこで行っていた研究で顕微鏡を固定する素材をチタンに変更したところ、研究後骨からチタンを取り外すことができなくなってしまいました。この偶然の出来事が、オッセオインテグレーションの始まりとなりました。
      『オッセオ』が『骨から成る』、『インテグレーション』が『統合』からなる造語です。

      オッセオインテグレーションという事が確立されるまでは、体内に挿入されたすべての異物は排除されると考えられていました。
      通常、異物が入ってくると人間は上皮と呼ばれる組織で覆い囲みます。しかし、適切に行われたインプラントと骨の間には上皮は侵入してきません。
      この原理を利用したのが、インプラント治療です。

  • インプラントと抜歯の関係
    • 抜歯とインプラント埋入手術を同時に行う処置です。患者さんにとって、外科処置を2度に分けずに1度にできるので、喜ばれます。
      医学的にも治療期間を短縮し、同時に体への外科的侵襲を軽減できるのです。
      1989年にLazzaraの発表した論文では抜歯即時後インプラント埋入の注意点を記載してあります。

      ・インプラントがしっかりと安定していること(初期固定が良いこと)
      ・インプラントは軟組織の再生を考慮して2㎜深く埋め込むこと(2㎜根尖側に埋入)
      ・上皮の侵入を防ぐ(骨の再生するスペースを確保) です。

      抜歯すると、歯肉に穴ができます。この穴をどのように閉鎖するかを検討した論文があります。
      1994年のLangerの論文で抜歯する歯を削って歯ぐきに覆われるようにする方法を発表しています。1997年Landsbergの論文では、抜歯してできた歯ぐきの穴を口蓋の歯ぐきを移植することを発表しています。

      2001年のPaolantonioの論文で、抜歯した空間にインプラントを埋め込んだ時にできる隙間について述べています。この水平的隙間(Horizontal defect)が、抜歯後即時インプラント埋入の問題点のひとつです。この水平的隙間が2㎜以下の場合、骨との結合状態は成熟した骨にインプラントを行ったときと差はないと報告しています。つまり、水平的隙間が2㎜以下なら骨との結合に問題ない事を意味しています。

      このようなことから、適切な方法と技術によって抜歯と同時にインプラント手術を行うことは、有効な方法です。勿論、同時に行はない方が良い場合もあります。

  • インプラントと麻酔について
    • 歯科インプラント手術に際しては、患者さんに与える苦痛を最小限にするために、安全で確実な麻酔が必要になります。
      全身麻酔が必要なのか、とよく質問されます。
      全身麻酔よりも上下の噛み合わせ関係を手術中に確認するためにも、局所麻酔が適切と言えます。 インプラント手術の麻酔は、最初に笑気併用静脈内鎮静法を行います。これを行いますと、麻酔をしたことを覚えてない方がほとんどです。

      麻酔はまず、表面麻酔を行います。表面麻酔は粘膜面より神経を麻痺させる方法です。表面のみに有効なので、注射の時の痛みを軽減させるものです(麻酔をしたこと自体を覚えている方がほとんどいませんが、念のために)。
      インプラント手術の時間は通常1時間以内です(簡単なインプラント手術なら15分以内に終わります)。

      麻酔には浸潤麻酔と伝達麻酔があります。同じ麻酔液を用いても、それぞれ効いている時間は異なり、浸潤麻酔は2~3時間・伝達麻酔は4~5時間効きます。
      表面麻酔を行ったら浸潤麻酔を行います。注射針を浅く刺入して、ゆっくりと麻酔液を注入します。次いで少しずつ深く進めていきます。注入速度もゆっくりと行うことで痛みの軽減となります。 麻酔液が十分に浸透すると術中の出血の軽減にも有効です。
      次に伝達麻酔を行います。インプラント手術中に麻酔効果が消失し、疼痛が出てきますと、麻酔液を追加しても効果はあまり期待できません。このようなことが起こらないように、伝達麻酔も併用します。

      特に下顎の奥歯相当部への麻酔は非常に効きずらいので、毎回併用します。笑気併用静脈内鎮静法を行いますので、処置中の緊張感は持たずに行えます。
      全身麻酔とは異なりますので、入院は必要ありません。

  • インプラントの必要本数について
    • インプラントの必要本数は、極めて難しい問題です。一人一人骨の状態や残っている歯の状態が違うからです。しっかりした骨の方は、少ないインプラントの数で使うことができます。(下の総入れ歯の方はしっかりした骨があります)また、残っている歯が強ければインプラントの数は少なくても問題ありません。しかし骨が薄かったり、残っている歯が弱かったりすれば、通常よりも多くインプラントを必要とします。また残っている歯のある場所にも気を使います。
      例えば部分入れ歯を使っている方で、入れ歯を使ったり使わなかったりする事があれば、他に負担が大きくかかります。

      インプラントは基本的に複数になると連結して使います。1本の時よりも、2本連結した時の方が2倍以上の力を発揮するからです。そして3本連結すると、より大きな効果をうみます。(1本や2本の場合には回転力が発生しやすいのです。)
      1995年のRangertの論文によれば、奥歯に1~2本のインプラント治療をした歯ぎしりをする患者さんにトラブルがあったと、報告しています。

      歯は上下で親知らずを除いて、それぞれ14本ずつあります。インプラントは1本の歯に対して、1本必要というわけではありません。
      下の歯が全部ない人(総入れ歯)が、必要なインプラントの数は3~5本です。同じように上の歯が全部ない人(総入れ歯)が、必要なインプラントの数は4~8本です。(上と下では骨の密度が違います。下の骨はしっかりしていることが多いです)逆に2本の奥歯を作る時に、必要なインプラントの数は2~3本です。
      1995年にブローネマルク教授は、条件がそろった場合、総入れ歯の方に6本のインプラント埋入をするより、4本のインプラント埋入をする方が、予知性が良いと発表しています。

  • インプラントと喫煙の関係?
    • 外科処置をする時には、喫煙の有無を確認し当日の禁煙をお願いするようにはしています。
      しかし現実、タバコを吸えないストレスもかなりあるようで、強要はしていません。喫煙により血流が悪くなり、治癒が遅れることを説明し、あとは患者さんの判断にお任せしています。

      1993年のBainの論文では2000本以上のインプラントを経過観察しています。
      ここでは喫煙者と非喫煙者に差があると示されています。しかし、喫煙イコール、インプラント治療の失敗とは結びつきません。
      1996年Lindqustの論文では喫煙者と非喫煙者では、インプラント周囲の骨の吸収に差があると報告しています。しかし、これも10年間で0.5mmの差にすぎません。
      ただ、条件のかなり悪い時(骨が薄く、骨移植が必要な場合)などは、喫煙による差が大きく出ることも考えられます。骨移植をする時には、より血液循環が重要な要素を占めるからです。

  • インプラントと骨との関係?
    • 世界的な骨量と骨質の評価は、1985年にレックホルムとザーブによって発表されたものが、一般的です。これはX線診査と臨床的評価でされるものです。

      骨量:
      タイプA 大部分の歯槽骨が残存している
      タイプB 歯槽骨に中程度の吸収が認められる
      タイプC 大部分の歯槽骨が吸収している
      タイプD 顎骨に吸収が認められる
      タイプE 顎骨に著しい吸収が認められる

      骨質:
      タイプⅠ 顎骨の大部分が皮質骨により占められている
      タイプⅡ 中は密度の高い海面骨を、外は厚い皮質骨でおおっている
      タイプⅢ 十分な強度をもった密度の高い海面骨を、薄い皮質骨がおおっている
      タイプⅣ 密度の低い海面骨を、薄い皮質骨がおおている

      骨量

      骨量とはインプラント治療に用いることのできる骨の量のことです。抜歯を行いますと、時間の経過と共に歯を支えていた骨(歯槽骨)は吸収していきます。これは、インプラント治療を行うときに、利用したい骨がどんどん少なくなっていくのです。

      前歯と奥歯の骨を比べると、上下共に前歯の骨の方が、骨量が豊富です。前歯のインプラント治療ができないほどの骨が吸収することは少ないです。(審美的に修復するのは難しいです。)これに対して奥歯は骨吸収により、インプラント治療を困難にすることがあります。下の奥歯であれば、歯を支えていた骨(歯槽骨)の下にある神経までの距離が短くなってしまうのです。このことは、インプラントの長さを制限してしまいます。(現在では骨の造成や、神経移動術により治療可能であります)

      上の奥歯であれば、上顎洞という空洞があります。ここまでの距離が短くなり、十分な長さのインプラントを用いられないことがあります。
      (現在では上顎洞への骨造成サイナスリフト、上顎結節・蝶形骨を利用するインプラント、頬骨弓を利用するザイゴマインプラントにより治療可能です)
      下顎は上顎に比べて骨量が豊富なことが多いです。また、骨には皮質骨というしっかりした外側の骨と、海面骨という柔らかい内側の骨があります。下顎はこの皮質骨というしっかりとした骨の割合が上顎に比べて多いのです。

      骨質

      骨質とは、骨密度のことを指します。ある程度の骨密度が高い方が、インプラントの埋め込みに有利です。
      インプラント治療の埋め込みの時には、しっかりと固定することで骨との結合が高まります。

      この骨質と骨量は、インプラント治療成功にどれくらい影響するものなのでしょうか。様々な論文の報告があります。
      1969年にブローネマルクの論文では、骨密度はインプラントが長期にわたって機能するための重要な要素として考えられてきました。1977年には骨質タイプⅣや骨量タイプEは、インプラントの失敗に影響を与えると報告しました。しかし、1993年のバハトの論文では、骨質・骨量に影響なくインプラント治療が行えたと発表しています。

      これらのことから、現在では骨質が悪い(柔らかい)時には、インプラント埋め込み手術(一次手術)後の治癒期間を延長することで、骨質の良い(硬い)時と同様な骨との結合状態(オッセオインテグレーション)になると、考えられます。

      ※骨吸収は、歯の喪失後の期間が吸収に大きく影響します。ただし、個人差が大きいものです。

  • 世界で行われているインプラント研究報告を教えて
    • インプラントナビゲーションシステムの報告
      CTデーターを用いて2種類のコンピューター支援ナビゲーションシステムを用いての研究です。下顎インプラント埋入に必要とされる埋入の正確性と外科処置にかかる時間を比較したものです。
      研究の結果、2種類のナビゲーションシステムは臨床的にはほとんど同じように正確でありました。平均誤差は1㎜以内という報告でした。ただインプラント治療での1㎜はかなり大きな差となる事もあるのが現状です。一概にこれだけを信用してぎりぎりの手術はやはり難しそうです。ただ一つの道具としては十分活用できるもののようです。またその優れたシステムによって平均手術時間は早いと報告されました。

      放射線照射された骨の血流量
      放射線照射された骨は、オッセオインテグレーション(インプラントと骨の結合)を阻害すると報告されています。特に照射量が50Gyを超えるとインプラント生存率は低下します。照射骨では、細胞数が減少し、低酸素状態になり、血流が減少していることが示されています。その結果、骨のリモデリング能が減退し、インプラント生存率が低下すると考えられています。
      研究の結果、放射線照射が施行された上下顎歯槽骨は、非照射骨と比較して血流量が減少しているであろうという仮説が確かめられました。またこの研究で用いられた装置(LDF)は歯槽骨の血流量の評価に再現性があると確認されました。しかしまだしっかりとした線引きには至らないので今後の研究が楽しみであります。

      インプラントの表面性状に関する研究
      チタンインプラント表面へのオッセオインテグレーションには、物理的性質と化学的性質の両者が影響します。表面形態や粗さなどの物理的改変は、インプラント埋入から回復までの治癒期間を短縮します。化学的改変は、インプラント表面におけるイオン相互作用やタンパク添加、細胞活性に影響を及ぼします。さらに生体内の複雑なタンパクあるいは細胞同士の相互作用を通じ、生物学的な反応に変化をもたらし、最終的には臨床レベルのエビデンス(科学的根拠)にまで影響を与えます。
      研究の結果、インプラント表面の化学的改変がオッセオインテグレーション中の生物学的変化に影響するという説を支持するものです。これらの事は、インプラント治療の治癒過程を促進し得るもので、インプラント治療の短縮につながり得るものとして期待し見守りたいものです。

      審美インプラント治療のポンティック部(インプラントを埋入しない中間部)における治療方法
      現在、審美領域におけるインプラント治療は、補綴主導型インプラント治療のコンセプトが広まり、単独歯欠損症例においては非常に高い完成度を目指すことが可能になってきています。しかし、複数歯欠損に対し、インプラント治療によって天然歯同様の審美性を与えることはいまだに困難です。
      この研究では多数歯欠損をインプラントによって審美的に治療するための戦略的に歯牙を保存した方法です。インプラントの材料や形態など日々改善が進められていますが、周囲の骨、軟組織を健康な頃と変化なく維持するのは天然歯を超えるものはないであろうという考えのもと進められています。
      とにかく今の状態を壊さないように最大限に配慮した方法といえます。ただ、誰にでも適応できるものではなく、かなり条件が絞られる事、矯正治療も不可欠となるなど、時間的制約のある人にも難しいと言えます。ただ、審美的に回復するための一つの有効な手段となり得ることを示唆しています。

      下顎臼歯部の骨中間挿入移植(骨が垂直的に吸収している場合に用います)
      著しい垂直的骨欠損は骨量不足のためにインプラント埋入を困難に、あるいは不可能にしてしまう事があります。下顎臼歯部に下顎管という神経が存在するからです。今までにも仮骨延長術や垂直的骨移植、ショートインプラントなど様々な手段が用いられてきました。サンドイッチテクニック(骨中間挿入移植)は水平的に1か所、垂直的に2か所骨切りを加え、移植骨(腸骨)を挟み込むものです。近年、下顎臼歯部へも応用されるようになってきました。
      この研究発表は経過観察(平均38カ月)も良好でインプラント周囲の骨吸収が0.9mmであったと報告されています。ただし仮骨延長術と同様、サンドイッチテクニックの限界として、垂直的骨欠損のみが修正され、水平的骨欠損の修正はわずかであるという弱点はあります。下顎臼歯部が著しく骨吸収しているインプラント治療を行う時の一つの手段として有効な方法と考えられます。

      インプラントと喫煙について
      喫煙がインプラント治療にどのような影響を与えるかという報告は非常にたくさんあります。1995年のNevinsとLanger、2000年のBrocard,2004年のWennstromらの報告があります。
      これら複数の論文を分析すると、喫煙がインプラントに与える影響は確実にあると言えます。

      インプラントと骨の結合状態についての報告です。
      喫煙者の結合状態は86.1%に対して非喫煙者は92.4%でした。この差は統計学的に有意な差があります。ただ、当初予想していた状態よりは小さかったという報告もあります。
      たくさんの研究者達の結果を総合的に見ていくと、すべての骨(しっかりした骨と弱い骨を含む場合)で、喫煙者と非喫煙者で比較したものは、両者にあまり大きな差はありません。しかし弱い骨に限局して、両者を比較したものは大きな差があります。
      これらの事から、喫煙の影響が大きく出るのは、骨質が弱い時であると言えます。 今後は骨質の異なる様々な部位へのインプラント治療が喫煙とどの程度関わりがあるかを研究していく必要があると考えます。

      インプラントの表面性状は喫煙とどの程度関係があるでしょうか。
      インプラントの表面性状は骨のインプラントに対する接触に影響を及ぼし、インプラントの治療結果を改善させる可能性があります。
      HAコーティングされたインプラントは、喫煙者と非喫煙者で骨結合状態が30%以上違う事が報告されています。 喫煙者にも朗報はあります。酸エッチング処理したインプラントは、両者に差はないと報告されています。ただし骨はしっかりした状態での研究結果でした。
      これらのことから、喫煙は治療結果に悪い影響を及ぼすと言えます。その影響は骨が弱い時に特に顕著に出ると言えます。

      垂直的または傾斜インプラントによって支持された固定性補綴物による完全無歯顎の即時補綴
      垂直的または傾斜インプラントによって支持された固定性補綴物による完全無歯顎の即時補綴の臨床結果を検証したものです。インプラントの残存率、3年後の機能後のインプラント周辺の骨の状態を報告したものです。
      以前は多数のインプラントを埋入するという考え方でしたが、最近では4~6本のインプラントでも問題なく使用できるというものです(上顎は骨がしっかりしているという条件が必要です。下顎はほとんどの人できます)。特に臼歯部(奥歯)に傾斜埋入(斜めにインプラントを埋入)されたインプラントは、平行に並んだ垂直インプラントよりも力の分散・負担、より長いインプラントが利用でき、より深い骨を利用できるという点で優れているというものです。
      また傾斜インプラントは周辺の骨吸収に影響を及ぼさないというものです。 傾斜インプラント埋入は上顎洞(上顎奥歯上方部の空間)への骨移植方法と比較して、より簡単で、予知性が良いと僕も考えます。しかしどんな人にでも用いられる方法ではありません。

      ウサギ大腿骨の骨治癒におけるブラステッドチタンインプラント表面上に行った細胞接着因子コーティングの効果
      インプラントにおける予知性および長期の成功率は、骨の質と量のような、局所の骨の状態に影響を受けやすいです。
      なかでも上顎臼歯は骨質が弱いことが多いです。このような部位へのインプラント治療では表面において早期に骨形成細胞の相互作用の質を増強することが有効です。
      今回の研究では細胞接着分子であるT-CAMが、チタンインプラントの骨伝導性を増強させ、効果的に固定化されたことを報告されました。今後の詳しい研究と報告に期待しています。

      インプラント支持の固定性部分床義歯のセメント固定に用いた4つの仮着材の維持力に対するサーマルサイクリングとエアアブレーションの効果
      インプラント上部構造の固定にはスクリュータイプとセメンティングがあります。どちらにも利点と弱点がありますが、世界的な流れはセメンティングです。そしてセメンティングをする材料は少し弱めのセメントが用いられます。中のネジが緩むなどのトラブルに対して容易に対応できるようになっています。
      このセメントを用いる時には維持力が低いことが問題とされています。それを解決するようにアバットメントや上部構造に処理を行い、維持力を向上させられることが発表されました。

      ハイドロキシアパタイトコーテッド(HA)インプラントの長期観察
      HAインプラントの長期観察成績(8~10年)が報告されています。HAインプラントとチタンインプラントの長期成績を比較したものです。
      結果、HAインプラントの成功率は82%と報告されているので、スレッド型チタンインプラントよりも劣っていることがこの研究では示された事になります。HAインプラントが敬遠されている理由は不安定で細菌感染増大を招き、急速な骨破壊を引き起こします。よってチタンインプラントを上回る利点は何も見出せないという報告がされているからです(1991年Albrektssonらの報告)。また、HAインプラントは長期にわたる成績の報告がないのです。
      あくまで個人的な意見として、完全に否定する物ではないかもしれませんが、今後画期的な変化がない限りインプラントの主流になることは考えづらいです。

      機械研磨および酸エッチング・スクリュータイプインプラントにおける一次固定
      インプラントの初期固定は、初期のオッセオインテグレーショーンに影響を及ぼします。不十分な初期固定は骨―インプラント界面における微小動揺を招き、骨治癒過程に影響し、結果として繊維性被包をもたらします。しかし初期固定の機能は不明であります。
      そこで初期固定の不良な状態において機械研磨インプラントと酸エッチングインプラントにおけるオッセオインテグレーショーンを比較したものです。
      酸エッチングインプラントは術後一次固定のいかんに関わらず、機械研磨インプラントよりも高い骨インプラント接触率とリムーバルトルク値を示しました。またこの研究では初期固定は骨―インプラント相互作用に影響していませんでした。このことからオッセオインテグレーションには初期固定より表面処理が重要であることが示唆されました。

      歴史的には機械研磨インプラントは長いものを持ちますが、現在の世界的な流れとしては酸エッチングインプラントが主流であります。40年後のことを言われれば機会研磨にしか実績はありませんが酸エッチングインプラントも10年以上の報告はあります。初期固定は問題ないという報告ではありますが、これについては多数異議を唱える先生方がいると思います。

      デンタルインプラントへの即時・早期・通常の負荷の影響:
      インプラントの予知性を得るためには、インプラントの初期固定と微小動揺のないことが重要な2つの要素となります。微小動揺があると軟組織による被包化が生じます。このリスクを最小限にするために、インプラントの免荷期間が推奨されています。しかし1990年以降、限られた条件で臨床的に用いられるようになり、今では一般的になってきています。臨床的な状態やインプラント表面性状が免荷期間の違いによるインプラントの成功率に影響するかどうかを研究したものです。

      インプラントの埋入後に即時あるいは早期に負荷を与えられるかは、私達にとっても重要な問題です。なぜなら、治療期間を著しく短縮するという患者さんの利益につながるからです。この研究では負荷の時期による差はなかったと報告されています。ただこのインプラント例は厳選されていて理想的な候補を行っています。誰にでも当てはまるものではないので、やはり一人一人きちんとした検査を踏まえて的確な判断が必要とされるものだと思いました。

      デンタルインプラント即時埋入の予後について
      現在、抜歯後のデンタルインプラント即時埋入は通常行われる治療法となっており、通常のインプラント埋入に比べて、骨吸収は少なく、全治療期間も短く、またその成績も通常のインプラント埋入と同様で、その長期成功率も同様です。 このような報告が多い中で即時埋入が上手くいかない例も報告されています。
      歯周炎や根尖膿瘍、特に急性期の症例で成功率が低く報告されています。
      VillaやRangertらの報告では感染部位においても生存率は100%とされています。
      しかし失敗症例も報告があるので、慎重な対応が必要であると思います。
      この失敗症例にもきちんとしたリカバー処置が施されています。

      インプラント外形へのバイオロジカル・スペースの適応
      オッセオインテグレーションの獲得はインプラント長期保持に重要であるが、その上を覆う軟組織の外形保存は審美的に重要である。インプラント周囲の軟組織の治癒は創傷治癒に類似しており、天然歯への軟組織とは大きく異なります。インプラント周囲にも生物学的幅径が出現するため周囲組織が変化をするのです。
      そこで今回の研究で直径やヘッドの設計が異なるインプラントにおいて、周囲の骨治癒を比較されたものです。 今回の研究の結果、ワイドや拡張プラットホーム形態のインプラントはスタンダードインプラントに比べて周辺の骨吸収が大きい事が報告されています。
      インプラントの形態を含めて種類の選択は非常に慎重に行うべきことであると再認識させられました。

      GBRとBone Scraperで採取した自家皮質骨破片による歯槽頂増大
      失われた歯槽骨に対する移植材料としてのゴールドスタンダードは自家骨であることは明白です。下顎正中部、下顎枝、上顎結節などの部位から採取された自家骨による臨床報告は数多くされています。しかし、どこの部位の自家骨が優れているかの比較研究がないので今回、研究比較されました。
      移植材として皮質骨移植と海面骨移植を比較した報告では、皮質骨移植を行った症例では細胞成分に乏しく、高い吸収率を示し、より長い治癒期間が必要と報告されています。

  • 最先端インプラント治療の全てを教えて。
    • チタンは、ゴルフのチタンドライバーや眼鏡のフレームなど身近なところで使われている馴染み深い金属です。 元素番号22・元素記号Tiです。
      地球の地殻の成分としては9番目でそれほど稀少という金属ではありませんが、単体として発見されるのには時間がかかっています。
      最初はイギリスで1791年に発見されました。その後1795年にドイツで正式に発見され、ギリシャ神話の地球上最初の子供である『タイタン』にちなんでと名づけられました。
      チタンはプラチナとほぼ同等の強い耐食性があり、常温常圧では酸にも塩分にもほとんど反応しないので錆びつかないのです。鋼鉄と同じ強度があるのに45%の重量しかないのです。軽い金属として知られているアルミニウムと比べても、60%の重さで強度は2倍あり、その上金属疲労もしづらいのです。

      発見されてから200年以上経過しているのになかなか利用がすすまなかったのは精製技術が確立されるのに時間がかかったのと加工技術が困難であったためです。
      多くの特性を生かして、アルミ・銅・鉄・マンガン・などと合金を作り、ロケットや戦闘機等にも利用されています。軽くて丈夫で、変化しにくいのがチタンなのです。だから、チタンのメガネフレームは軽いし、汗などにも強いのです。

      その上、体との相性も良いのです。
      例えば二酸化チタンは皮膚を保護する働きをもつので、日焼け止めに使われています。このように生体と親和性があるのもチタンの特性なのです。
      こうした様々な機能のあるチタンが、人工歯根や人工関節、人工の耳、頭蓋骨の代替品として使われるようになったのは、ある研究者の実験なのです。
      1952年スェーデンのイエテボリ大学の整形外科医で解剖学者であるブローネマルク博士が骨髄の機能について研究をスタートさせました。この実験で起こった偶然が、現在の生体向けインプラント利用の礎になっているのです。

      整形外科医のブローネマルク博士は骨の治癒の原理を研究していました。
      どうして骨折した骨が再びくっつくのか、その治癒がどのように行われているかを解明しようと多くの実験を行っていました。
      骨の内側は空洞で、その中は骨髄で満たされている。その中を多くの血管が通っています。博士はこの細い血管の中を赤血球や白血球などがどのように循環しているかを研究(マイクロ・サイキュレーション)していました。
      最初にウサギを使ってマイクロ・サイキュレーションを確認する研究を行いました。骨の中の血流を調べるために骨に小さな顕微鏡を取り付けました。このレンズを覗いて血流を観察しようと考えました。このレンズを固定する金属に以前は金や真鍮を用いていましたが、生体に馴染みやすい性質をもつチタンを用いました。

      骨の中には骨髄があり、その中には太い血管が通っている血流がある。骨髄の周囲には硬い皮質骨があり、骨の形態を維持しているのが観察できました。これにより、骨の中の細胞は、大きな血管から白血球や血小板を取り込んでいて、骨が折れると、骨膜の細胞と骨の中にある血管網によって治癒することが分かりました。観察終了後、レンズを外そうと試みると全く外れませんでした。骨とチタンが結合して同化しているのが観察されました。博士は外れないという特質を、何かに使えないかと考えました。骨の再生の原理を究明するという実験から、チタンと生体の意外な関係が明らかになったのでした。

  • インプラント安定指数?
    • オステル測定とはインプラント(フィクスチャー)の安定状態を数値で客観的に示すものです。共振周波数を測定しコンピューター処理します。そしてISQ値として表示されます。高い数値は安定性が高いと言えます。
      もともと100%のインプラント治療(オステオインテグレーション・骨結合)を得るために、開発されました。インプラント手術中に安定が良くない時に客観的に予後が思わしくない事を教えてくれる物として、研究されました。

      オステル(Osstell)を使うことによって、将来発生するであろう不具合を予測することができます。こうすることによって適切な対処方法をとることができるのです。また、インプラントの安定性と骨の質を測定できます。その結果、インプラントへの機能時期を予測することが可能になりました。
      今では、オペ後すぐに歯を装着しても問題がないかどうかを判断するものとしても、評価されています。そして歯を即日に装着できる科学的根拠の一つとしても、用いられるようになってきました。

  • 骨がやせてしまっている方の治療は?
    • 骨移植(Bone graft)

      インプラント治療をする所の骨が薄くなっているか、低くなっている場合に必要になります。抜歯をして、歯を失いますと少なからず骨の吸収は起こります。ですから正確にはすべての方達に必要な処置になるのですが、現実的にはそこまで行わなくてもインプラント治療が行える方がたくさんいらっしゃいます。ただ、中には骨移植を行わないとインプラント治療が行えない方もいらっしゃいます。
      通常はこういった方が骨移植の対象となり、よく相談のうえ処置の有無の決定をいたします。

      上顎洞挙上術-サイナスリフト(Sinus lift)

      上の奥歯にインプラント行う時に用いる補助的手術です。
      非常に骨が少ない時に行うものです。鼻腔の後ろにある上顎洞と呼ばれる空間に骨を造る処置です。 時間は15~30分余分にかかります。
      またこの処置を行わなかった時と比べると腫れが出やすいです。ただ腫れは非常に個人差がありますので一概には言えません。
      上顎洞挙上術-サイナスリフト(Sinus lift)を行った人でも行わなかった人よりも術後楽だったという人も多いからです。

  • 治療中の日常生活を教えてください。
    • 仮歯(TEK)

      インプラント治療後、すぐに最終的な歯(上部構造)が装着されないことがほとんどです。

      治癒期間 >>
      そのような方達のために仮歯を装着することができます。特に前歯の場合、歯がないまま過ごすことは、とても苦痛な事になりますので、大事なことになります。
      仮歯にもいろいろ種類があります。

      インプラント治療をした日からインプラントを利用する仮歯
      仮歯専用のインプラントを最初から行いそれを利用した仮歯
      周囲の歯・歯ぐきを利用した仮歯
      ・周囲の歯を削らずに接着する
      ・いわゆる入れ歯を用いる
      それぞれ、利点・欠点がありますので、患者さんの希望に合わせた仮歯を用いることができます。
      ※奥歯の場合、仮歯を必要としない患者さんもいらっしゃいます。

  • インプラント治療の留意点
    • インプラント治療をするにあたって

      チタン製インプラントが骨の中に埋め込まれ長期間にわたって使っていけるためには、いくつかの留意点があります。

      骨にダメージを与えない事です。

      骨形成時の発熱が一番の骨へのダメージです。47℃以上で1分間あるいは一瞬でも50℃以上に加熱されてしまいますと、骨細胞が変性して良好な骨結合が得られません。そのために処置中は発熱しない様に冷却した生理食塩水の十分な注水が必要です。
      装置内部に付随したものだけでなく十分に冷えた生理食塩水を別に用いています。
      骨形成時には鋭利な切削器具を用いる必要があります。
      生物学的な研究により適切な回転数と回転トルクが器械によりコントロールされています。
      そして技術が必要です。

      インプラント以外の異物の混入

      インプラントが手術器具(ステンレス製)に触れますと鉄イオンがインプラントに吸着し、5年以上経過の後にその触れた部分に錆びを生じて骨との結合を失ってしまうといわれています。
      インプラントに触れる器具はチタン製の物を用います。

      感染防止

      感染を防ぐために清潔な部屋で行う必要があります。解放された場所よりも緊張するかもしれませんが、きちんと扉がしまる専用の部屋の方が清潔な状態を維持しやすいのは誰しもが理解できる事だと思います。
      使用する器具や手術に関わるスタッフも十分に消毒をし、滅菌されたオペ専用着を着用して感染源を絶ちます。
      患者さんは当日、お口の中のクリーニングを約30分程度行います。

      治癒期間

      骨質の状況に応じて治癒期間を決定します。基本的には下顎で4ヶ月、それより骨質の軟らかい上顎では6ヶ月必要とします。ただし、現在では手術時にインプラント安定指数(osstell)を計れる器械もありますので、その日のうちに歯を入れることができる方もいらっしゃいます。具体的には下顎の総入れ歯の方や上顎1本の歯の方はその日のうちに歯を入れられることが多いです。

  • 人工の歯が壊れることはありますか?
    • 充分な診察を行って治療計画を立て、その部位に最も適した材料で歯を作製しますので、簡単に壊れるようなことはありません。万が一何かトラブルがあっても修正が可能です。また、周りの歯が傷んだ時にはインプラントを追加することも可能です。

  • 即日インプラントと普通のと違い?
    • 即日インプラントは、何処の部位でもできるわけではありません。適切な診査を行い、適応な部位に行います。適応の方には、とても有効な方法です。ご相談ください。

  • インプラントは何年ぐらいもちますか?
    • 1965年に初めて埋め込まれたインプラントが、現在でも機能していることから、衛生状態が良く保たれているインプラントは、長い期間にわたって良好に機能することが期待できます。反対に、手入れが良くないとインプラントの寿命に影響することも考えられます。

  • 手術の際には、入院が必要ですか?
    • 一次手術でも、二次手術でも入院は必要ありません。また、充分な局所麻酔下で手術を行いますので、従来の歯科診療に比べても痛みを感じることは少ないと思います。また、一次手術の時には静脈鎮静法を併用することが多いので、終わった時にはあっという間でした、という方がほとんどです。

  • インプラント治療の成功率は?
    • 40年以上の臨床結果と100万人以上の人が治療を受けた結果、クラウンやブリッジを支持するブローネマルクインプラントは、約98パーセントの成功率を誇っています。この事はたくさんの論文で発表されています。

  • インプラントで義歯を作るか?
    • インプラントを利用した義歯は可能です。ほとんどの方が、ネジで固定して、取り外しせずに使っています。 下の場合は、すぐに最終的な歯を装着できます。上の場合も骨の条件によってすぐに装着できます。最終的な歯を入れるのが無理な場合でも、仮歯を入れられます。

  • 3本繋げて接着剤でつけます。こういう方法もある?
    • インプラントの上部構造(歯の部分)についてですが、作る方法としてはいろいろあります。ひとつは接着剤で接着する方法、もうひとつはねじで固定する方法です。それぞれ利点欠点があります。
      ねじで固定する場合はメンテナンス時にねじを外してインプラントのチェックができますし、もし上部構造(歯の部分)が壊れて修理が必要になった場合、口から外して修理が可能です。しかしねじで止めるための穴が見えて審美的には接着剤でとめるのに比べて劣ります。
      接着剤で固定する場合は外せませんので修理が必要になった場合に処置が難しいです。審美的には勿論、綺麗にできます。

  • 根元が割れて差し歯ができない場合インプラントはできる?
    • 歯根の破折であればインプラントの治療は全く問題なく、適応症と思われます。
      インプラントはブリッジと比較して、周囲の歯を削らずに審美修復が可能な優れた治療法です。保存困難な歯を抜歯すると骨の吸収が生じ、ブリッジや入れ歯を装着しても加齢とともに骨吸収は更に進行していってしまいます。欠損した部位にインプラントを埋入すると骨吸収は少なく、歯肉の形態も自然に近い状態を保つことができます。抜歯の時期や仮歯も含めて細かい相談が必要ですね。

  • インプラント法と他治療との違い?良い点と悪い点を教えて。
    • ブリッジのように健全な他の歯を削らず(傷付けず)、入れ歯のように取り外ししません。ですから自分の歯のように食べ物を噛むことができます。
      また、見た目も自分の歯のように修復することが可能です。虫歯にならないので、虫歯による再治療がありません。噛む力が骨に伝わるので骨吸収を抑制できます。
      しかし、保険が適応されない治療になりますので経済的負担が発生します。 また、簡単ですが外科処置が必要となります(抜歯と同じくらい)。

  • インプラントの費用
    • インプラントの種類・本数または患者さんの骨量・質量によって費用が変わってきます。
      長い歴史があり安定性が証明されていて、システムが確立されているインプラント(ブローネマルク・I.T.I・アストラなど)は、比較的費用が高くなるようです。ただ、安いからダメで、高いから良いということではありません。
      費用で選ぶのではなく

      1. 専用のオペ室があるか
      2. 酸素・笑気が常備してあるか
      3. 心電図付きの血圧計があるか
      4. 滅菌システムが徹底しているか

      など設備がしっかりしている事、
      また、今までにどれくらいのインプラント治療を術者と麻酔医が経験されているかという技術的な事、から判断してください。

      インプラントを使用して歯を1本作るのに34~44万円かかります。
      10本作るのに10倍かかるわけではありません。骨の状態により必要なインプラントの数が異なりますので、お気軽に御相談して下さい。

  • インプラントとは
    • インプラントとは、何らかの理由によって、歯を失った場所に入れ歯やブリッジ(両隣の歯を削ってかぶせる)でなく、単独で歯を作る事が出来ます。

      フィクスチャー
      人工歯根と呼ばれる歯の根(歯根)に相当する部分
      上部構造
      歯の上方(歯冠)に相当する部分
      アバット
      フィクスチャーと上部構造を連結している部分

      インプラントの歴史

      インプラントが最初に用いられたのは、紀元前と言われています。
      今使われているシステムが確立したのは1960年以降です。

      このインプラントシステムは、1952年にスウェーデンのブローネマルク教授によって開発されました。
      ウサギの骨にチタン製の生体顕微鏡の器具を埋め込み骨の観察を行っていました。観察を終えて器具を取り外そうとしたところ、骨から外れなくなってしまいました。この時教授は『骨とチタンが結合する』事を発見しました(オステオインテグレーション)。そして1960年になるとチタンは骨だけでなく軟組織(歯ぐきなど)にも親和性がある事を発見しました。
      様々な研究の後、1965年に初めてインプラント治療が行われ、そのインプラントは約40年経った今も何の問題もなく機能しています。

      現在、インプラントは世界中にたくさんの種類があります。つい最近発表されたインプラントもあります。ただ、自分の体の一部に用いるものであれば、やはり予知性の確認されたものが好ましいと思います。その中でも最も歴史が長いものがブローネマルクインプラントです。

  • インプラントのメリット・デメリット?
    • ☆メリット
      インプラント治療は天然の歯に最も近い優れた治療法です。そして、入れ歯やブリッジよりも優れたメリットが数多くありますが、デメリットもあります。下記ではインプラント治療のメリットとデメリットを解説しました。

      噛む力が強い
      インプラントは一般的に自然な歯の8割の力で噛むことができると言われ、自然な歯をほとんど変わらない感覚で食べることができます。

      美味しく食べれる
      入れ歯は歯茎を覆ってしまう部分があるため、食べ物が美味しくなく感じますインプラントは自然の歯とほぼ同じ構造なので美味しく食べることができます。

      隣の歯を痛めにくい
      部分入れ歯では隣の歯に余分な力が掛かり、ブリッジでは健康な隣の歯も削るので、隣の歯も虫歯になる可能性が高くなります。インプラントは隣の歯を痛めにくい治療法です。

      自然な外観
      インプラントは自分の歯に近い外観が可能な治療法です。入れ歯やブリッジでは、見た目で分かってしまいますが、インプラント治療はほぼ天然の歯と変わりません。

      あごの骨の衰退を防止
      歯を失った部分の骨は、咀嚼による刺激がなくなるため、入れ歯やブリッジでは骨が減っていきます。
      インプラントは骨に咀嚼の刺激が伝わるので衰退を防止できます。

      定期ケアで長持ち
      インプラントは定期的にケアすることで、非常に長寿命に成ります。また、入れ歯でのように外して掃除する手間もありません。

      ☆デメリット
      インプラント非適用の場合がある
      インプラントは手術を伴う治療のため既往症がある場合や、顎の骨の状態によっては、インプラント治療ができない場合があります。事前の診断で判定できますのでぜひご相談ください。

      治療期間が比較的長期
      インプラント治療はインプラント手術をした後、経過観察のため何度か来院していただく必要がございます。入れ歯でも合わなければ調整が必要なように、インプラントではケアが必要に成ります。

      試用・試着が出来ない
      入れ歯やブリッジと違い、インプラントは使用や試着ができません。そのため事前にインプラントはどのような物なのかをしっかりと理解することが必要です。

      技術力のある医師が少ない
      インプラントは手術を伴う高度な治療です。いいインプラント治療には、手術が可能な衛生的な施設、適切な設備、そして高度な技術力が必要です。

  • インプラント治療期間と流れ?
    • インプラントの治療期間は2週間~5週間が目処になります。その他患者様のお口の状態やご要望により前後します。無料カウンセリングで、あなたのご要望の治療期間が分かりますので、ぜひご相談ください。

      カウンセリング

      インプラント治療とはどういうものなのか等、先生が説明します。いまさら誰にも聞けないようなことから、専門的なことまで、遠慮なくお聞きください。

      また、現在のお口の状態、お悩み、ご希望などをお聞かせください。
      各種口腔内検査を行い、ご希望があればレントゲン撮影をさせていただいた上でインプラントにかかる期間や方法、費用などについてご説明いたします。
      検査

      インプラント治療に必要な各種検査、診査を行います。当医院ではCTも完備しておりますので、より正確な診査が可能となっております。全身の健康状態に配慮した治療を行うため、全身検査もさせていただいております。
      治療計画立案

      インプラントの本数、治療にかかる期間、費用等について計画を立てます。補綴処置や事前処置、増骨術の必要の有無、インプラントの本数によって治療計画は異なってきます。CT画像を用いて正確な骨の形状を把握した上で、患者様一人一人にとって最もよい治療計画を立てさせていただきます。
      前処置

      インプラント治療を開始するにあたって、まずお口の中の環境を整えます。これは非常に大切な処置でインプラント手術の成功のキーポイントになります。具体的には歯を抜いたり、歯周治療、虫歯の治療、仮歯の作成などがこれにあたります。
      手術、仮歯

      インプラントを埋入する手術を行ないます。インプラント1本の手術ではほとんどの場合、1時間程度で終了します。また、麻酔には細心の注意を払い、より痛みの少ない手術を心がけております。

      また、手術直後に取り外し式の入れ歯の方は、義歯を修理してお使いいただきます。
      両隣に歯がある方には、即日で仮歯を入れてお帰りいただくこともできます。
      手術直後は手術をした部分に負担をかけない方がいいので義歯の使用は約一週間後になります。
      人工歯の作成・取り付け
      インプラントは大きく分けると三つのパーツから成り立っています。骨の中に埋め込まれるインプラント体、インプラント体の上に取り付ける人工の歯、インプラント体と人工の歯をつなげるアバットメントの三つのパーツから成り立っています。インプラント体と顎の骨がくっついたら、人工の歯を取り付けます。人工の歯を装着したら治療は終了です。
      メンテナンス
      インプラントを長くお使いいただくためにメンテナンスは必要不可欠になります。インプラントは天然歯よりも口の中の細菌による感染に弱いからです。定期検診と、毎月のメンテナンスが必要です。しっかりとしたメンテナンスで末永くインプラントを利用し健康な日々をお過ごしくださいませ。

  • インプラントとは?
    • 歯とは、口を開けたときに見えている部分(=歯冠)と、歯茎の中(=歯根)から成り立っています。もしもこの歯がなんらかの原因でなくなってしまったとき、それを補ってくれるのが、入れ歯やブリッジ、そして最近急速に普及しているインプラントです。
      入れ歯やブリッジは、失った歯の歯冠部分だけを補いますが、インプラントは歯冠も歯根も取り付けるので、本物の歯のように仕上がるのが大きな特徴です。

      インプラント治療では、まず人工の歯根を顎の骨に埋め込んで骨と結合させ、その後、人工の歯根の上に、人工の歯冠を取り付けていきます。本来の歯と近いかたちで再生させるため、治療後は天然の歯と同じように噛むことができます。
      そのため、今まで不満や悩みの種となっていた食事の時間が、また楽しめるようになります。食べて健康を取り戻す、そして見た目の美しさも復活させる治療、それがインプラントです。
      インプラントとは、虫歯や歯肉の病気、あるいは怪我などのアクシデントによって、失われてしまった天然の歯を、補うための治療方法のひとつです。インプラントと呼ばれるチタン性の人口歯根を埋め込むことで、天然の歯とほぼ変わらない外観と機能を両立する優れた治療法です。

      ブリッジは隣の健康な歯を土台とした治療法のため、インプラントと比べると隣の健康な歯まで、虫歯にしてしまう可能性の高い治療法です。
      その点インプラントは、隣の歯を削ることが無いので、健康な歯を保つためには非常に有利な治療法です。

      また、入れ歯は、徐々に顎の骨がやせていくという弱点がありますが、インプラント定期的なメンテナンスにより非常に長持ちし、何十年も使用を続けることも可能です。費用の面から考えると、インプラントは割高な治療と見られがちですが、上記の様にブリッジや入れ歯では、他の歯や顎の骨にまで悪い影響をあたえてしまうため、結果としてインプラント長期的に見ると低コストになる場合が多いのです。

  • カルシテックとチタンインプラントの違い?
    • インプラント治療では、自分の歯茎の中にあるあごの骨に、インプラント体を埋め込みます。ですから、あごの骨と相性が良いインプラントメーカーを選ぶことが重要になってきます。
      おすすめのメーカーは、カルシテックインプラントです。というのも、インプラント体の表面がハイドロキシアパタイト(以下HA)と呼ばれる素材でコーティングされているからです。
      HAとは、歯や骨を構成する成分のこと。唾液中のミネラルイオンと作用すると、初期虫歯や、微小欠損した歯の再石灰化を促進してくれるのです。つまり、歯の自然治癒力を高めるような素材なのです。そんなHAが使われているカルシテックインプラントは、あごの骨と積極的に結合しようと働きかけます。 治療成功率が99.5%という実績からも、信頼おけるメーカーだと言えるでしょう。

      カルシテックインプラントの良さをもっと理解するために、一般的に使われるチタンインプラントと比較してみましょう。
      カルシテックインプラントは、チタンインプラントの表面にHA(ハイドロキシアバタイト)をコーティングしており、このHAが、骨と結合するための足場作りをしていることは、先ほども述べたとおりです。

      一方、通常のチタンインプラントは、骨と結合しやすいようデザインのみが工夫されています。ここに、大きな違いがあるのです。
      チタンインプラントをネジに例えるならば、カルシテックインプラントはネジに接着材がついたもの。どちらがより接着しやすいかは、一目瞭然です。

      接着剤付きのカルシテックインプラントは、あらゆるシーンでその力を発揮します。例えば上あご。上あごの骨は、医学的に骨質が悪いとされており、インプラント治療が困難な部位でもあります。そのような部位でも、カルシテックインプラントであれば、チタンインプラントで必要とされる治療期間を半分以下に短縮することが可能だと、データで立証されているのです。

      時間を軽減できるということは、その分、体への負担も軽減できるということ。治療期間の長さにインプラントをためらっていた方、また、時間をなかなか作るのが難しかった方でも安心して治療に臨めるのではないでしょうか。

      いくらカルシテックインプラントが優れているとは言え、医師の腕が確かではないと、治療時に患者さまにも負担を与えてしまいます。その点、私は開業以来、1,800本以上もの治療経験を重ねており、痛みと腫れを最小限にとどめた手術をすることができます。また、カルシテックインプラントの講師として、後任の歯科医師の育成にも務めておりますので、安心してお任せください。

  • 身体に入れても安心の、信頼できるメーカーは?
    • インプラント治療では、自分の歯茎の中にあるあごの骨に、インプラント体を埋め込みます。ですから、あごの骨と相性が良いインプラントメーカーを選ぶことが重要になってきます。
      おすすめのメーカーは、カルシテックインプラントです。というのも、インプラント体の表面がハイドロキシアパタイト(以下HA)と呼ばれる素材でコーティングされているからです。
      HAとは、歯や骨を構成する成分のこと。唾液中のミネラルイオンと作用すると、初期虫歯や、微小欠損した歯の再石灰化を促進してくれるのです。つまり、歯の自然治癒力を高めるような素材なのです。そんなHAが使われているカルシテックインプラントは、あごの骨と積極的に結合しようと働きかけます。 治療成功率が99.5%という実績からも、信頼おけるメーカーだと言えるでしょう。

  • 何本も歯が抜けていても治療ができますか?
    • 大丈夫です。失った歯の本数は治療には関係ありません。極端な話、あごの骨さえしっかりしていれば、上下それぞれたった2本のインプラントで、総入れ歯を支えることも可能です。むしろ骨の量や全身疾患に左右されやすいです。

  • インプラントは身体にとって安全ですか?
    • 主流のインプラントは高純度のチタンで作られています。チタンは人体組織との親和性が高く、アレルギーがほとんどないと言われている金属です。チタンアレルギーの報告もほとんどないため安心してください。

  • どのくらい自然な歯に見えますか?
    • インプラントを施す場所や本数、骨の量などによって違いはありますが、一般的にインプラントだと気づかれることはほとんどありません。審美的な技術も進んでいるので、自分の歯とほとんど変わらないように見えるでしょう。

  • インプラント治療法の概要?
    • レントゲンなどによる十分な診断を行い、治療計画をたて手術をおこないます。インプラントが、植え込んだあごの骨にしっかり固定されるまで、3~6ヶ月待ちます。インプラントが安定したら人工の歯をその上に付けます。治療後は、きちんと医師の指示に従って管理する必要があります。

  • ブリッジとインプラント治療の関係?
    • 従来法は、左の図のように歯が抜けたところの両脇にある歯を削って銀歯をつなげるようなタイプ、いわゆるブリッジと呼ばれる治療をします。それに対しインプラント治療は、両隣の歯を削ることなく、歯の抜けたところにインプラントを植え込み、人工の歯を取り付けます。

  • インプラントのメリットとデメリットは何ですか?
    • 〈メリット〉 ・自分の歯と同じようにかめる。・他の歯を傷つけない。・ 自分の歯と殆ど同じ審美性。・あごの骨がヤセるのを防ぐと言われている。
      〈デメリット〉・外科的手術が必要。・骨密度によっては適応できない。

  • インプラントはどのくらいもちますか?
    • 歯磨き等お手入れが不十分だとインプラントも天然歯と同様、歯槽膿漏の状態になり、インプラントを支えている周りの骨が破壊されぐらぐら動いてしまいます。必ず定期健診を受けてチェックと指導をしてもらう必要があります。

  • 治療は痛くないですか?
    • 麻酔が効いていれば痛みは感じません。器具・機材・薬剤・技術等の向上で痛みがほとんど無く治療できるようになってきました。大掛かりな手術の場合は静脈内鎮静法(血中に精神を穏やかにする薬を注入する手法)を行うこともあります。

  • 治療費はどのくらいかかりますか?
    • インプラント治療は保険適応外の自由(自費)診療です。治療費は各医院によって異なり、また、使用するインプラントの本数や種類、上に装着する人工歯の種類、症状の難易度によっても違います。事前に医師とよく相談してください。

  • 歯槽膿漏でも大丈夫ですか?
    • 歯槽膿漏にかかっている方はお口の中の衛生状態の悪い場合が多く、そのままではインプラントを入れることはできません。治療と正しい歯磨きを身につけることで歯槽膿漏を治し、それからインプラントを入れます。

  • インプラントはどのくらいもちますか?
    • 歯磨き等の日頃のお手入れが十分にできていないと天然歯と同様、歯槽膿漏の状態になり、周りの骨が破壊されインプラントを支えられなくなります。インプラントを長持ちさせるためには、毎日の正しいお手入れと生活習慣、そして、定期検診を受けることが大切です。

  • インプラントの構造とは?
    • インプラント挿入後、インプラント周囲で骨は育成し、インプラントは最終的に骨にしっかりと固定されます。また、インプラントは歯肉の下にかくれ、完全に保護されています。そして、インプラントを植え込んでからおおよそ3~6ヵ月後には安定し、その上に新しく人工歯が装着されます。 

  • インプラントとはどういうものですか?
    • 歯を失ってしまった部位に人工の歯を入れて噛める状態にする治療のひとつです。
      歯を失った部位の顎の骨の中に、外科的な治療で人工歯根(インプラント)を植えます。更にその上に人工の歯を入れて通常の歯のように噛めるようにします。
      インプラント埋め込むには、顎骨の厚みと密度が必要となり、抜歯後、骨が回復するまで1年以上経ってから治療を開始します。
      事前にCT等で骨の状態をしっかり確認をし、厚みや密度が不足している場合は人工骨を埋め込む治療などをして顎骨を作り、安全な状態で手術をします。最近では人工歯根(インプラント)にも色々な種類があり、歯の部位やニーズによっての選択が広がり、多くの症例に対応できるようになりました。
      人工歯根の治療費は平均1本20万~60万円位で材質や医院によって差がありますが、熟練された技術や経験が左右される治療法でもありますので、医院選びが重要です。

  • ンプラントの治療法をおしえて!
    • 歯を失ってしまった部位の顎の骨の中に、人工の歯根(インプラント)を植えて、その上にセラミック等の歯を入れ、噛めるようにする治療法です。

      最近は、技術と品質の向上で、症例数も増えてきました。
      また、毎年次々と新製品も発売され、患者さんの厳しい要望にもお応えできる充分な治療成績が得られるようになりました。

        治療の流れ
      1. CT等による画像診断、その他の資料作成
      2. 治療計画
      3. 一次手術(インプラント埋入)
      4. 傷口の消毒
      5. 二次手術(インプラント頭部の立ち上げ)
      6. 傷口の消毒
      7. 人工歯作製のためのインプラントの型取り
      8. 冠の適合チェック
      9. 冠の完成・調整・固定
      10. 数日使用して微調整
      11. 定期健診

      インプラントを挿入後、上に歯を入れるまでに骨との安定期間を有したり、顎骨がインプラントを挿入できる厚みや密度が不足している場合は人工骨を植え込む手術を行いますので、約半年~1年半かけて治療をします。

       利点
      治療の範囲は、歯が抜けたところだけで済ませることができ、両側の歯を削ったり、取り外しの入れ歯のような手間や口腔内の違和感はほとんどなく、ご自分の歯と同じように使うことができます。
      入れ歯は違和感が強くて使えない方や何度作り替えても合わないといった方、また、他のご自分の歯は治療したくないという方にお勧めです。
      手術時間は比較的短く(1~2時間位)身体への負担も軽いため、入院の必要もなく、現在は技術等の向上もあり、手術中・後の痛みもほとんどありません。

       欠点
      保険不適応なので保険の治療に比べると、治療費が高額です。(1本40万円前後)
      年齢や身体の状態により、この治療を受けられない場合があります。
      手術時間は比較的短いですが、埋めこみを終えてから、その上に歯を入れて噛めるようになるまで、期間が必要です。(6ヶ月~1年)

  • 糖尿病でも大丈夫ですか?
    • 回答
      医師の指導のもとに十分コントロールされていれば大丈夫ですが、状態によってはインプラント手術ができない場合もあります。 詳しい症状を先生に伝えてください。

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